今回は、音量に関する言葉です。
piano と forte
辞書を引くと、piano という言葉はいくつもあります。
形容詞=平らな、平坦な (英語のplane)
名詞=面、平面、(建物の)階
名詞=計画、プラン(英語のplan)
あれ?弱いって意味はないの?と思われた方、いませんか?
crescendo decrescendo diminuendo
この言葉が書いてない楽譜はほとんどない?
と言ってもいいくらい、毎日お目にかかる言葉ですね。
一般的に「だんだん大きく」と言う風に訳されていますが、
元の動詞は、crescere(grow)
1、成長する
2、育つ
3、(草木などが)生える、伸びる
4、(量、声、勢いなどが)増す
5、進歩する
その反対は
decrescere
低下、減少、縮小する
例文を見ると、
人口が減る、
水位が下がる、
などに使われています。
どちらの言葉も、単に音量が大きくなったり、小さくなったりするといった以上の、様々なニュアンスが含まれていそうですね。
diminuire(diminish)
減らす、減少させる、少なくする、小さくする
予算を減らす、スピードを落とす、危険を少なくする、
暑さが和らぐ
ここからは、下野竜也さんの受け売りですが、
dim. と decresc. は、辞典では同じ意味のように載っていますが、
dim.のほうには、音量が小さくなると同時に、rit.のニュアンスも含まれる。
decresc.には、それはない、そうです。
シューベルトのようにこの2つをちゃんと区別して使っている作曲家もいる!というお話でした。スコアを読み込んでおられる、指揮者ならではの発見ですね。
単純に「音量」の大小で音楽を考えるということは、とっても危険なことなんですね。
和声の緊張感だけでも、自然と強弱は変わります。
「そこ、もっと大きくね」
と言われると、たいていの生徒さんは、「強く」弾いていまうのではないでしょうか?
その結果、音は大きくなるかもしれませんが、雑音も増え、ひょっといたら、音楽の流れを止めてしまうかもしれません。
なるべく「大きい、小さい」が自然に感じられるような、別のわかりやすい表現で補ってあげられるといいなと思います。
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