最後に「演奏表現について」書かれた章では、31項目あって、17~31は、譜例つきで、記譜と奏法上の諸注意のようなものが書かれています。
ベーブンク(鍵盤の上に指を置いたまま揺すって音程を変える)や、強弱についても書かれていることから、彼が想定してしていた楽器は、オルガンやチェンバロではなくて、クラヴィコードやフォルテピアノのような楽器だったのでしょうね。
長い情動的な音には、ベーブンクをかける、なんていう表現を読むと、なんだか、歌の演奏の仕方みたいだな~と思いますね。
この長い音をどう「感じながら」演奏するか。今のピアノを弾く私たちの一番苦手とするところかも。
どのような音を、スタッカート(切り離す)するか、レガート(つなげる)するかについても、書かれています。
概して離れた音は離して弾く、とか、和声的な音は音を保持して弾く、とか、かつての自分のレッスンで聴いたことのあるような注意もかかれてありました。
面白いなと思ったのは、スタッカートを表す記号について。
スタッカートされるべき音には、音符の上に点(・)か、短い線を書くが、自分はどちらかというと点を使う、なぜなら、(通奏低音の)数字と勘違いされるから。
ということは、まだこの頃は、通奏低音で和声を現わすこともあったわけですね。
あとの項目は音楽家、鍵盤楽器奏者としての心構えのようなものが書かれています。そこに、ちりばめられているのが「アフェクト」という言葉です。
良い演奏表現について語る前にエマニュエルバッハが批判しているのは、
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