有田正広♪音楽家のための修辞学(初級編)

音楽家のための修辞学

修辞学とは、
言葉と態度で何かを伝え、人を説得するための、
ありとあらゆるテクニックを学ぶ学問です。

黒を白と言いくるめることさえできる話術。
言葉の魔術。
(って、これは、大学時代に教授から聞いた話)


そもそも、
察する文化の日本人の私たちには
馴染みにくい分野のせいか、
なかなか、日本では勉強する本も
機会も少ないテーマの講座に、
当日迷いながら会場にたどり着いてみると、
たくさんの熱心な参加者がいて、ビックリ。
 

とにかく印象的だったのは、有田さんの、
この分野に対する情熱でした。

全部がそう、というわけではないものの、
という前置きの元、
修辞学的な楽譜の読み方ができれば、
こんなに音楽が面白くなる!

熱を込めて語られる有田さんから伝わってくる
オーラが半端なく。。。

若い頃のヨーロッパ留学中、
せっかく修辞学の講義があるというので
オランダにまで行った話。
オランダ語、わからないのに。
雰囲気だけでも知りたかった、でも、
行ってみて、言葉がわからないことがとても
悲しかった。。。って。

感情、熱意が声のトーンに乗って伝わってくる。

と思うと、

「講師も意地悪なんですよね、英語話せるくせに、
話してくれなかったんだから」って、
会場の笑いをとったり。

要所要所で、
「って、ここで、緊張を緩めてるわけです」
などと解説が入りつつ、
あーこれがレトリックってものよね。
と納得の3時間でした。

それから、有田さんは、手書きに凝られてて、
楽譜の以外の資料は、なんとぜーーんぶ、
手で書かれたもの。

え〜!今の時代に手書き?
昔の大学のパレオグラフィー(古文書学)
の授業での、 「読めないよね〜」的な 
教授の微笑みが頭をかすめる。

もちろん、資料をめくって見ると、
有田さんの文字は丁寧で、しかも、
手書きの部分だけでも18ページ!
「手で書くほうが、味わいがあって好きなんです」

考えてみれば、昔の作曲家は、
あの楽譜の一つ一つを最初は手で書いてたわけで。。。

今私たちが演奏するときも、
手書きの楽譜の方が、印刷楽譜より伝わってくるものが沢山あるんですよね。

でもまあなんとも、膨大なエネルギー!
それだけでも、恐れ入りました。

さて、講座は、大きく、3つに分かれていました。

前置きとして、作曲家が託した楽譜とは、何か。
楽譜を読むときに知っていないといけないこと、
についてのざっとした説明のあと、

修辞学の歴史
様々なフィギュール
具体的な楽曲の例
と、ほぼノンストップ。
多分時間があれば何時間でも話し続けられるほど、
伝えたいことが沢山あるんだろうな〜
って感じました。

さて、
音楽の修辞学を読み解くカギは、
フィギュールと呼ばれる、様々な「

お話を聞きつつ、
ようやく、これまで受けてきた、色々な先生の
講義、レッスンでの、言葉が、
意味を持って頭に蘇ってきました。

ここは、ため息。
希望を感じて。
優しい愛。
心の動揺。。。

ソウイウコトダッタノネ。

現代の私たちにとっては、
謎解き、
暗号解読、 
みたいなところもあるけど。

大昔、人間は、音だけでコミュニケーション
してた時期もある、それを考えると、

ある音の高低、形が、何かを意味する、
っていうのも、うなずけますよね。

そもそも、作曲家はそれをわかった上で
曲を書いたんだから。。。
心を済まして耳を傾ければ、
伝わってくるものがあるはず。


本当の意味で、
言葉を超えたところから、 音楽は始まる

改めてそう感じさせてもらえた時間でした。

内容については、また改めて
書いてみたいなと思います。
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関孝弘さんの講座♪知られざるショパン

この記事は2009年のものです)
今日は知られざるショパンの世界と題して、関孝弘さんの講座に行ってきました。

関さんは今、奥様と、まいにちイタリア語(NHKラジオイタリア語講座)中級をうけもっておられます。

これで納得!よくわかる音楽用語のはなし―イタリアの日常会話から学ぶ
の著者でもあります。
 
3年前にこの本が出たときに、
日頃から「音楽用語」として使っている、さまざまな言葉が、ようするにイタリア語として普通に使われている言葉であることを、改めて認識し、その言葉の本来のもつ意味を知ることの大切さを感じました。

その昔、音楽といえばイタリア人だった時代。どこの国でも宮廷音楽長はイタリア人でした。

だから当然楽譜に書いてある言葉もイタリア語だったんですね。

その言葉を、今私たちが思っているような

アレグロ・・・はやく
アンダンテ・・・歩く早さで
などというように、翻訳したのは誰か???

今はひょっとしたらモーツァルトのお父さんあたりかなあ、と思っていますが、どうなんでしょう?

彼はそのバイオリン教本の中で、音楽用語についての説明の章をわざわざ設けています。
ちょっともう1回確かめてみなければ。。。と思っています。

ともあれ、今日の講座は、音楽用語に関することは少しだけで、
ショパンの遺作集の楽譜をもとに、演奏とお話をきかせていただく、という内容でした。

ご自身がイタリアに留学なさったときに、音楽院の子供たちが弾いている
きれいな曲。。。。誰のかな?とみてみると、ショパン。

でも、聞いたこともない。そんなばかな!
そこから、本当にそれがショパンの作品かどうかを、たしかめるためにたくさんの年月をついやされ。。。全音から、ショパン遺作集として出版されました。

生前に出版もされなかった小品、子供のころの作品。でもいずれも
ショパンの香りのする作品ばかりでした。

1つの疑問をそのままにせず、追及していく姿勢、というのもとても大切ですね。
その結果、ショパンの遺作がすべてはいっている、楽譜集はまず、ポーランドでもフランスでもイタリアでもなく日本で出版されたということです。
すごいですね。

印象に残っているお話を1つ。
ある実験で、人にいろいろなジャンルの音楽を聴いてもらい、
どこで感動するかを、脳波で図ってみたそうです。

ロックやポピュラーは、」』音楽はにぎやかだけど、脳波はフラット。
クラシックでは、ところどころで反応が。それが、和声が変わるところだったそうです。

ショパンの曲の中には、そのような憂いを含んだ転調がすごく多いので、それを1つ1つ感じながら弾くことが大切だということ。

それから、ショパンが好きだったのは、プッチーニ、そしてベルリーニだったので、まずは、メローディーをオペラのアリアのように、歌うこと。。

遺作をたどりながら、ショパンの成長と変化を作品をたどりながら語ってもらった2時間あまりでした。
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