espressivo


よく楽譜の中でお目にかかる言葉ですね~

 

espressivo は形容詞

espressione は名詞です。

 

辞書を引いてみたら、こういうのもありました。

 

espressione d'amore 

愛の言葉(告白)

 

また、必ずしも表されるものは愛情とは限りません

 

espressione triste

悲しげな顔つき

 

espressione contenta

満足げな表情

 

そしておなじみ、

con espressione

感情を込めて、表情豊かに

 

 

espressione で表されるものは、どうやら、感情そのものだけでなく、表情、顔つき、言葉などさまざまな意味合いがあるみたいですね。

 

ということは、楽譜にもし、con espressione と書いてあったら、私たちはどのように演奏したらいいのでしょうか?

 

「これで納得!よくわかる音楽用語の話」の関先生はおっしゃいます。

 

《表現するということは、心の内面を表出するということに他なりません。つまり「私はこう考えているのよ!」》と前提があって、初めて人は納得し、共感してくれるもの。そしてそこから初めて<豊かな表現>が生まれます。

 

イタリアの小学校では、詩の朗読の時間が大切にされるそうです。

顔の表情、声のトーンまで考えて表現する練習を小さい頃からするわけですね。

 

米原万理さんの著書に、あったのですが、ロシアの学校では、自分の読んだ本がどのような内容であったか、自分はどこに感銘をうけたか、を人に口頭で伝える試験があるそうです。

これは、まず、その内容をきちんと理解できたかどうか、また、それを、人に正しく伝えられるかどうか、を口頭で伝える能力の訓練ですね。

 

音楽で言えば、その作品をどれだけ深く内容を理解できているかどうか、どう感じているか。。。

それがなければ、 con espressione で演奏 はできない、ということですしょうか。

 

結局最後は、作品そのものと、自分自身に戻ってくるような気がしますね。。。、

 

grazioso

 

grazioso という言葉は、わりとピアノを習い始めて初期の曲の中にもでてきます。私は昔、「優雅に」、というふうに習いましたが、こういう言葉のニュアンスを人に伝えるのって、とーっても難しいと思います。


「優雅」って、果たしてどんな感じ?
子供ごころに不思議に思ってました。

イメージとしてはやはり、女性的な、繊細なもの。

una graziosa fanciulla
かれんな少女

un grazioso cappellino
かわいい帽子

con movenze graziose
上品な物腰で

関孝弘さんの本では、「上品で、繊細な」ものの代表という事で、ベネツィアンレースが紹介されています。

そして、そのような時間をかけた芸術作品を身にまとうのにふさわしいのは、高貴な方たち。


このような雰囲気、優美で、上品で洗練された「音」って?

「どんな音」か、というのは、見えませんし、聞こえたものも一瞬で消えて行ってしまいます。だから、それを形にして表現し、伝えるためには、どうしてもイメージや、言葉が必要です。
そのイメージを作り上げるには、さまざまなものを知識としてではなく、「見たり、聞いた事がある」「体験して」いなければ難しいですよね。

どんなものを見たら、「優美だなあ」と感じるか?自分なりの「優美なもの」「優美な動き」などについて、考えたり、探してみる。
レースでいっぱいに襟が飾られたドレスを着たら、どんな気分になるか?想像してみるのもおもしろいかもしれませんね。


ちなみに、グラーツィアさんという女性の名前、イタリアに多いそうです。
そして、
日本でも、優美 さんという名前、けっこうありますよね。

言葉は違えども、ある特定の意味あいについて思う事は、東と西に離れていても同じみたい、というのも、おもしろいなあ、と思います。