音楽修辞学

アフェクトまずは言葉との出会い


アフェクト・・・あまり、耳になじみのない言葉かもしれませんね。

私が最初にこの言葉を聞いたのは、かれこれ、20年以上前???その頃私は、国立音大の先生の主催されるフルートの講習会に毎年夏に参加していました。その中で、ある年に、スペシャル講義、として、ドイツのフルートの大家クルト・レーデルという方のお話(もちろん通訳つきです)があり、その中で、初めて聴きました。

 

当時は、ヘンデルのソナタに自由に自分が装飾を入れて即興的に吹く、なんて思いもしなかった頃で、まさにすばらしい講義も、当時の私にはネコに小判の世界。。。ただ、アグリコッラ(バッハの弟子)とか、マテゾン、アフェクトなどという単語の断片だけが頭に残っていました。

次に聞いたのは、約10年前の秋吉台音楽ゼミナール。モスクワ音楽院の理論の先生(ナザイキンスキー先生)や、原田英代先生の先生(メルジャーノフ先生)のお話の中にある、日本では聞きなれない言葉の中に、アフェクト(またはそれに類する言葉)や、修辞学、という単語があったんです。

その時に感じたのは、

先生方の膨大な知識と含蓄のある言葉と演奏の背景に横たわる、気の遠くなるような、時間の流れと、歴史的な厚みでした。
さすがにその時は、20年前よりは、おっしゃることの内容(意味というよりは)は多少すんなりと頭に入ってきましたが、それでもまた、音楽シンタクス、ペリオデ、修辞学的フィグールなど、聞いたこともないような言葉がちりばめられている講義は、まだまだ「おいしいね」といって飲み込むには早すぎる内容でした。。。

そして今、ようやくこれまでに溜め込んできたものが、少し関連性を持ち、意味を成し始め、ちょっとだけ演奏にも生かせるようになって来たかなあ、という程度に熟成してきたように感じています。

そこで、この機会に、改めて、先に紹介しました3冊の本を中心にもう1回読み直し、考えてみようかな、という気持ちになったんです。

あー、前置きが長くなってしまいました。でも、難しいことを難しく言いたいわけではない、難しいことを、普段の言葉で考えて、演奏に反映させてみたい、という気持ちと、こうして振り返ってみると誰でも同じような経過をたどって先へ進んできたのかなという思い、先人となった全ての先生方への感謝の気持ちをまず書いておきたかったんですね。

ということで、これから(!)改めて、本を読みつつ、考えたことを書き綴ってみたいと思っています。

C.P.E.バッハ
「力強いとか、楽しいとかいったパッセージにおいても、奏者は自分自身をそれらのアフェクトの中に入れなければならない。しかも、常に変化し続ける感情を呼び起こさなければならない。奏者がもっとも良く聴衆の心をとらえるのはファンタジーによってである。」(正しいクラヴィア奏法)

(続きます)