もともとアフェクト=情念、という言葉は、

17世紀の哲学者デカルトが使った言葉です。

 

彼は、基本的な情念を

「驚き」「愛」「憎しみ」「欲望」「喜び」「悲しみ」

の6つに分類しました。

 

これらは、私たちの精神の内に生じる、一種の受身な感情で、

身体からの働きかけ(血行の変化、涙、汗の分泌など)によって起こる、「心自身の状態の感じ」である、といいます。

デカルトはこのような「受動的」(に生ずる)感情を、

「知性と意志の力で能動性に支配することが、

真に自由で高貴な生き方である」としました。

このあたり、

ダニエル・ゴールマンの著書「EQ こころの知能指数」にも

通じるところがありますね。

 


これで、前回の最後に書きました
C.P.E.バッハの言葉の意味が
少しわかっていただけましたでしょうか?

もう1つ、引用してみます。
「何が、よい演奏表現を成り立たせるのだろうか?それは、楽曲を歌ったり、演奏したりしてその真の内容とアフェクトを聴衆の耳に感じ取らせる技量に他ならない」

つまり、その曲の真の内容とアフェクトに即した演奏、それが、彼の(というか当時の音楽家たちの)目標とするところだった、ということなのかなと思います。
ここでいろいろ疑問がうかぶのではないでしょうか?

音楽の中にある真の内容、アフェクトって何?
どこにそのアフェクトがあらわれてるの?
それを表現することが、どうして、良い演奏につながるの?

C.P.E.バッハは著書「正しいクラヴィーア奏法」の中で、

正しい運指法、
適切な装飾法、
よい演奏表現
この3つが、密接に結びついて正しい演奏法になる、と考え、これらについて詳しく書き記しています。

その内容について入っていく前に、再び、当時の音楽観、世界観にもどってみたいと思います。